70代、男性、デスクワーカー
半年前から肩の痛み(右側)が出るようになった。さらに1月前から腕のしびれも出るようになった。肩の痛みは、手を腰の後ろに回す動作(結帯動作)で痛みがでる。腕のしびれは、右腕の後面からすべての指先にかけてでるようになったそうです。その都度、整形外科を受診し、レントゲンやMRIを撮ったが、異常はないとのことでした。直近での頭頚部の外傷歴はないそうです。腕のしびれは、朝起きた時が一番強いとのことでした。
<来院時の症状>
・結帯動作での肩の痛みが強くなる。
・朝起きた時が一番しびれる。
・咳やくしゃみで症状は出ない。
<施術後の経過>
初診の問診では、整形外科を受診済みであったが、理学検査や整形外科的検査等を行い評価を行った。
◎ 一般医学的検査(MDx)
運動・感覚・腱反射の検査は特に異常はありませんでした。
運動(筋力検査)では、手関節の背屈、2~4指の背屈、母指の外転動作に異常はなし。
感覚では、橈骨神経の固有知覚に異常はない。
整形外科的検査は以下のように行いました。
VBI(-)、コンプレッション(-)、アドソン(+)※ 脈の減弱、モデファイド・アドソン(-)、エデン(-)、ライトテスト(+)※ 脈の減弱、橈骨神経伸長検査(+)、
◎ カイロプラクティック的な検査(CDx)
姿勢の側面分析は、猫背、頭の前方突出、ストレートネック。※下図に姿勢を示す 出典元:筋骨格系のキネシオロジー
可動域検査では、体幹の伸展制限、肩甲骨の内転・下制の制限。胸郭のスプリング低下。
触診では、斜角筋や、小胸筋など努力呼吸を要する筋群の硬化や横隔膜に圧痛も確認できました。
◎ 評価
問診、整形外科的検査では、頚椎変性疾患(骨・椎間板・靭帯などの変性)の可能性は低い思われました。症状が橈骨神経に関わる範囲で出ていることや整形外科的検査の所見から、胸郭出口症候群を可能性がありました。
カイロプラクティックで的には、胸椎・胸郭の機能障害を改善させること並びに、橈骨神経の滑走障害が疑われました。
◎ 治療
初診治療では、胸椎・胸郭の機能改善の治療を行いました。治療後の再検査では、整形外科的検査の所見が出にくい状態に変化したと回答を頂きました。
2回目以降の治療計画は、初診同様と橈骨神経の滑走性を促すアプローチを行いました。治療間隔を3~4日で行いました。
3回目の治療で症状が6割程度に減少。
4回目の治療で症状が3割程度に減少。
5回目の治療で症状が朝起きた時に少し感じる程度。
6回目の治療で症状を感じなくなったそうです。
以降の治療では、肩の痛みや結帯動作のやりづらさがあるため治療間隔を伸ばし、ホームケアを行うアプローチを継続しています。
<カイロプラクターからのコメント>
本症例では、医療機関受診済みではあったが、頭頚部の疾患の可能性も考えられるため、問診、理学検査、整形学的検査を用い、除外評価を慎重に行いました。所見から胸郭出口症候群の可能性が疑われたため、そのままカイロプラクティック治療を行いました。胸椎や胸郭、神経の滑走障害の機能改善を行い、治療を重ねるごとに症状の改善がみられました。また、長年筋トレをしており、筋トレ後のケアをあまりしていないとのことでした。不良姿勢を含めその長期間の積み重ねで、少しずつ機能低下を引き起こしたと考えられる症例でした。
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