小学生・中学生・高校生の脊柱側彎症
脊柱を構成する個々の脊椎骨はヒトのからだを支える屋台骨で、頚椎、胸椎、腰椎、仙椎、尾椎によって構成されている。その脊椎骨が何らかの原因で横に彎曲していくことを脊柱側彎症と呼ばれています。
側彎症には大きく分かれて2つ分類されます。1つは機能的側彎症です。機能的側彎症は何らかの原因で一時的に側彎した状態です。特徴は原因であるところを除去すると容易に側彎がなくなり、脊柱には固定した変形がみられません。2つ目は構造性側彎症です。構造性側彎症は、原因不明の特発性脊柱側彎症と、脊椎骨の先天的な形の異常に起因する先天性脊柱側彎症に大別されます。子供(幼少期)に気づかれることが多いですが、脊柱側彎症の80%をしめる特発性脊柱側彎症は思春期に始まることが多いです。発生率は人口の2~3%で、主に女性では、男性と比較しても約8割占めているとも言われています。
側彎症の方は、生理的な彎曲が減少(腰椎後彎と胸椎前彎)していることから、通常の位置と逆転していることがあります。施術では硬直した筋肉や骨盤などの関節の動きを整えることで、症状の変化が期待できます。
小学生・中学生・高校生の脊柱側彎症の症状
・体形の変化
背中の盛り上がりや肩の高さの左右差、ウエスト部分の左右の非対称などが生じます。主に思春期に現れる症状です。
・慢性的な腰痛と背部痛
中高年になると症状が出てくる可能性があります。背骨が曲がり始めても、骨が若いころにはあまり痛みなどの症状が出ないこともあります。年齢が重なっていくと骨が老化していき、背中や腰の痛みが増してきます。症状が悪い方の場合、歩行障害を訴える方もいらっしゃいます。
・内臓の機能障害
主に中高年になると症状が出てくる可能性があります。胸椎部分の側彎症の場合、胸郭の中に収まる肺や心臓の機能が低下する可能性があります。
小学生・中学生・高校生の脊柱側彎症の治療
問診や姿勢検査などを行い、機能的側彎症か構造的側彎症のどちらかを適切な判断で施術を行っていきます。機能的側彎症の場合、不良姿勢が原因として歪んでいる関節や緊張の強い筋肉の調整し、肩凝りや腰痛などによる痛みの原因に対して施術を行います。また、再度側彎症にならないように、姿勢指導やストレッチなどをお伝えします。構造的側彎症の場合、脊柱の椎体自体が変形しているため、カイロプラクティック治療で元の形に修復することはできません。しかし、思春期の方の場合、骨自体が成長期のため、カイロプラクティック治療によって、側彎の角度(コブ角)を改善できる可能性が高いと考えられます。日常生活上で癖になった身体の使い方をしてしまうと、またすぐに側彎が戻ってしまうことがあります。側彎症は子供の成長とともに進行するため、当院では、成長期の間は定期的に治療を行うことをお勧めします。また、成長期が終わっても、身体のバランスが崩れている場合もあるので、引き続きメンテナンス治療を行うこともお勧めしています。側彎症でお困りな方はお気軽にご相談ください。