小学生・中学生・高校生の腰痛

 

  腰痛は、日本国民にとって肩こりなどに並ぶ大きな悩みの症状といわております。厚生労働省の定義では、「腰痛とは、疾患(病気)の名前ではなく、腰部を主とした痛みやはりなどの不快感といった症状の総称」と位置付けられています。腰痛を大きく分類すると、特異的腰痛非特異的腰痛に分けられます。特異的腰痛は、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などが挙げられ、医師の診察および、画像検査(X線、MRIなど)で腰痛の原因が特定できるものを指します。非特異的腰痛は、診察や画像検査などで原因が特定できないものを指し、代表として急性腰痛(ぎっくり腰)や慢性腰痛などが挙げられます。腰痛の割合として85%が非特異的腰痛とされています。さらに、腰痛が原因で労働力に対して悪影響を及ぼし、大きな経済損益に繋がるとされており、世界各国では腰痛に対する政策も実施されています。

 なお、カイロプラクティックにおいて、アメリカ、イギリス、カナダなどを始めとする国々では腰痛に対するカイロプラクティックケアの有効性を認めるガイドラインが制定されています。

 現在、腰痛はこれまで大人の悩みでしたが、子供の腰痛のように低年齢化が進んでいます。要因として、「運動不足」、「同じスポーツのやり過ぎ」、「座りすぎ」が増えたことなどが挙げられます。カイロプラクティック発症のアメリカでも新型コロナウイルス対策でオンライン授業が普及した時期に子どもの腰痛が増えたと臨床上の報告が増えています。

 特に同じスポーツをやり過ぎることで生じる腰痛には、成長時期の子供にとって人生を左右する状況になりかねません。背骨の骨折に当たる分離症やすべり症、靭帯が緩み本来の役目を果たせず身体を安定させられない状態などになります。また、座りすぎにおいてWHOも健康や寿命に影響があると警鐘を出しています。

 

小学生・中学生・高校生の腰痛の症状とメカニズム

・急性腰痛

 急性期ですので筋や筋膜などの組織の挫傷(傷ついた状態)した状態。

 動いたと時に痛みが局所的に出現し、組織が改善すると痛みも消失。

・慢性腰痛

 筋や筋膜などの組織の挫傷はなく、刺激に対し痛みとして脳で処理された状態。

筋骨格系のバランスを崩している場合や、精神的ストレスなどの影響などで、痛みとして感じることがある。

・神経痛

 化学的・物理的な刺激が神経に干渉して生じる痛みの現象。

 腰痛の他に足に痺れや痛みが出ることが多い。

 椎間板ヘルニア、坐骨神経痛、梨状筋症候群などの神経痛。

・関連痛

 筋、筋膜、関節などに異常があるとき、特定の皮膚に感覚過敏や痛みとして感じ、これを腰部・骨盤の付近で感じると腰痛として感じることがある。

 関連痛は、神経的な繋がりがあるために生じる現象。

 

小学生・中学生・高校生の腰痛の治療

 当院では、腰痛を引きおこす状態を問診・検査・評価した上で治療計画を立てます。重要なこととして、子どもは大人の何倍も改善します。なぜなら成長段階だからです。例えば、歯科矯正なども成長期に改善したほうが良いと言われたりします。また、成長期は体つき(筋骨格系の変化)を決める重要な時期です。水泳をされている人であれば肩まわり、陸上であれば下半身など日常の生活環境に適応するように発達していきます。よって、不良姿勢が続くことで同様なことが生じ、日常の生活環境に適用するよう成長することが考えられます。このような状況で成長が終わると改善しづらい体になってしまいます。ですから、子供の時期のケアはとても重要になります。

 12twelveで行われるケアのおおまかな流れとして、短縮(短くなった筋肉)、虚血(血行不良)した筋や過剰な緊張をした筋肉を緩めるなどの調整をすることで、全体の筋のアンバランスな状態を取り除きます。さらに骨格の歪みや失われた可動性を取り戻す関節マニュピレーションなども施します。安定した状態をキープするために簡単なホームケアを指導したりもします。このような根本的な解決を目指すことで結果的に腰痛の改善に繋げていきます。