40代、男性、デスクワーカー
1週間前から右の首の痛み、右腕から小指にかけての腕のしびれがでるようになり、肩甲骨内側の痛みも時々でるそうです。症状は首を反らしたり、痛い側に頭を倒したりすると痛みが強くなるとのことでした。医療機関は受診しておらず、直近での頭頚部の外傷歴はないとのことでした。来院時は痛みの影響で頭を前方に倒し、右肩を上げた状態で来院されました(痛みの逃避姿勢)。他にも枕を高くしないと寝れない。くしゃみ、せきで痛みがでる。鎮痛薬があまり効かないなどの状況があるようでした。
<来院時の症状>
・上を向くと首の痛み、右腕から小指にかけての腕のしびれ。
・首を反らしたり、右に倒したりすると痛みが強くなる。
・枕を高くしないと寝れない。
・鎮痛薬があまり効かない。
・くしゃみ、せきで痛みがでる。
<施術後の経過>
初診の問診で、頚部の疾患の可能性があった。理学検査や整形外科的検査を行い慎重に評価を行った。
◎ 一般医学的検査(MDx)
運動・感覚・腱反射の検査は特に異常はありませんでした。
整形外科的検査では、バルサルバ(+)、マキシマムコンプレッション(+)、ディストラクション(+)、バコディ(+)、胸郭出口症候群関連の検査(-)、末梢神経伸長検査(-)
※ 頭頚部屈曲の状態から患側への側屈動作で、痛みの再現がされなかった。
◎ カイロプラクティック的な検査(CDx)
姿勢の側面分析は、猫背、頭の前方突出、ストレートネック。※下図に姿勢を示す 出典元:筋骨格系のキネシオロジー
可動域検査では、体幹の伸展制限、肩甲骨の内転・下制の制限。胸郭のスプリング低下。
触診では、頚椎5~7番の左側屈制限・5/6番右側屈で症状が再現。頚椎2~4番右回旋制限。
◎ 評価
問診、整形外科的検査では、頚椎変性疾患(骨・椎間板・靭帯などの変性)の可能性が示唆されました。カイロプラクティック的検査では、頚椎5~7番への負担が示唆さえれる所見が得られた。
◎ 治療
まずは、医療機関の受診をすすめました。初診治療では猫背姿勢を取り除くアプローチを行い、頚部は牽引治療のみ行った。治療後は痛みはあるが動かしやすくなったとのことでした。
その後の医療機関の受診では、レントゲンの右5/6番、6/7番に骨棘が認められ、頚椎症性神経根症と診断されたそうです。レントゲンの画像を拝見し、骨棘が認められた部分は、負担が強い兆候がみられました。
2回目以降の治療計画は、骨棘部分への力が集中している可能性が極めて高かったため、胸郭や頭頚部の機能障害を取り除き、患部に集中した力を分散させるようなアプローチを3~4日間隔で行いました。
6回目来院時で症状は、ほとんど出なくなったとのことでした。
7回目以降は、腰痛などもあったため体全体のケアに移行しました。
<カイロプラクターからのコメント>
本症例では、頚椎症性神経根症と診断されたケースでした。頚椎症には、頚椎症性脊髄症があるため、問診や鑑別評価をすることで、適切に医療機関を勧めることが重要です。この疾患の症状を取り除くためには、集中した負担を分散される体作りにあります。そのため、アプローチもそのように行っていきました。
大切なことは、不良姿勢や機能不全を改善させ、同様の損傷を繰り返さない体作りをすることです。長期的な機能の乱れは、部分的な大きな負担から頚椎変性疾患を生じてしまいます。変性した部位は自然治癒することはありません。そのため、症状がなくても体のケアがとても重要になります。本ケースは、変性の程度も軽度なものだったため、変性を進行させない体作りがとても大切だと思わせるものでした。
12twelveカイロプラクティックは身体を整える「整体」のプロフェッショナルです。飯田橋の整体でお探しの方は是非ご相談ください。