小中高生の姿勢矯正

 

 小中高生の姿勢は大人になってから、肩こり、腰痛、めまいや自律神経系のような原因不明の症状(不定愁訴)など様々な症状に苦しまない大事な時期と言っても過言ではありません。子供は大人の何倍も改善します。ですから、子供の頃のケアはとても重要になります。

 まず初めに、医学的に最も望ましい姿勢とは、「 最小のエネルギ-消費で苦痛のない運動を可能にし、体の各部位に及ぼす影響が最小で人体の調和がとれた状態 」と言われています。ただアライメントだけで評価することは望ましくないということになります。つまり、見た目の姿勢が綺麗でも痛みや不調を伴った状態では意味がないわけです。人間は常に動く動物です。体が機能的に動け、見た目も綺麗でることが望ましい姿勢と言えます。

 人間は二足歩行動物です。二足歩行に適応するように進化してきました。それは重力に負けないことです。重力に負けないために背骨をS字に弯曲させることで体に加わる力を分散させ、機能的(=筋と背骨の協調運動)に動けるように進化しました。このS字弯曲を手に入れるためには、新生・幼児期おすわり(一次弯曲)ハイハイ(二次弯曲)立ち上がり(S字弯曲)のプロセスが重要になります。小中高生の時期では手に入れた姿勢や機能を安定化させていきます。この時期は成長期のため、骨の成長に筋肉がついていけず側弯症になることもあります。

 私達は日常の生活で動いています。体も機械と同じくメンテナンスが必要です。ある程度、体自身で対応しますが、癖がついたものまで補正することはありません。日々のメンテナンスが必要になる理由になります。

 

良い姿勢・悪い姿勢のメカニズムについて

姿勢の良し悪しは、カイロプラクティック的に背骨の状態で説明できます。それよく歯車モデルで例えられます。

良い姿勢の場合、3つすべての歯車の中心が一直線に位置し、悪い場合はこれになりません。

歯車の中心からズレた状態は、それを支えるために筋力を使わなければなりません。しかし、最も望ましい姿勢には、最小のエネルギー消費という点がありました。

姿勢を支えるために筋力を使うことは、たくさんエネルギー消費することになります、よって歯車の中心がズレた状態は、悪い姿勢と言えます。

左下の図の矢印は、歯車が動く向きを示しています。歯車が動くことで、すべての歯車が連動し自然に良い姿勢がとれるようになります。

良い姿勢の基準は、横から見た場合。耳・肩(肩峰)・骨盤(大転子)・膝・足首(外果)が一直線に通過した状態になります。右下の図がこれに当てはまります。

 

姿勢から生まれる状態や症状

・上位交差性症候群( Upper cross syndrome )

 この状態は、背中の上部が後ろに丸まり、肩甲骨が外側に開き、腕が内側に捻じれ

 顎が突き上がった状態。いわゆる猫背姿勢ストレートネック(スマホ首)など。

 肩甲骨周辺の筋肉の緊張がアンバランスな状態。

 首・肩こり、めまい、呼吸が浅いなどあります。

 

・下位交差性症候群( Lower cross syndrome )

 反り腰。腰部・骨盤の過剰な前弯な状態。いわゆる下腹部がポッコリと出た姿勢が特徴。

 腰部・骨盤・下肢周辺の筋肉の緊張がアンバランスな状態。

 腰痛、股関節痛、胃腸の違和感などの内臓の機能低下などがあります。

 

層状症候群(Layer Syndrome)

 上位・下位交差性症候群が両方認められ、筋の過緊張と弱化が文字通り地層のようになった状態。

 さまざまな不調が現われることがあります。

 

12twelveでは

 S字の弯曲は生理的弯曲といいます。生理的弯曲は見た目も綺麗で機能的に体を使うために必要不可欠です。最近は座る時間が増え、体を使うことも減ったことなど生活様式が大きく変化しました。姿勢矯正の意味として、不良姿勢の改善を図ることで、身体の機能を正常に戻すことになります。結果として症状が出にくい状態にもっていきます。

 成長時期の子供は、大人に近づくにつれ身体が完成していきます。不良姿勢の影響を受け身体が完成してしまえば、大人で大きく変化させることは難しくなっていきます。さらに不良姿勢は、脳に何かしらの影響を与える可能性が示唆されています。ですが、不良姿勢の影響は大人とあまり変わりません。カイロプラクティック・ケアは大人とほとんど同じになります。なによりケアによる改善が圧倒的に早いということになります。

 当院で行うカイロプラクティック・ケアでは、背骨・骨盤などの調整を行います。不良姿勢の影響を受け、癖づいた骨格は自然に改善することはあまりなく、また同じ状態に戻りやすいです。このような状態にならないためにも、動きが悪くなった背骨・骨盤を調整していきます。そうすることで滑らかかつ筋との協調性が増し、良い姿勢をとりやすくなります。

 また、乱れた筋のバランスも整えます。例えば、乱れたバランスを補うために、過剰な緊張をしてしまう筋、筋をうまく使えなくなった状態の弱化、これらの影響を長時間受けた短縮などが生じます。筋のアンバランスな状態をリセットすることでケアの効果も高まります。

 最後に、良い状態を安定させるため、ホームケアを指導します。せっかく筋や骨格を調整し、使いやすい身体に戻しても、不良姿勢を改善しなければまた元の状態に戻ります。良い姿勢を癖づけることで、意識せず安定させることが可能になります。結果的に症状が出にくい身体へと変えていくことが可能となります。