胸郭出口症候群
胸郭出口症候群、通称TOSは主な症状として上肢(腕や手指)の痺れや激しい痛み、脱力感、冷えなどが上げられます。まずは胸郭出口の解剖学的構造を見てみましょう。胸郭出口は主に鎖骨を中心として上腕骨にかけてのエリアを指し、椀神経叢、鎖骨下動脈、鎖骨下静脈など、重要な神経や血管の通り道となっています。これらの神経や血管が何らかの原因によって圧迫や阻害を受けたりすることにより、上肢の症状が誘発されます。
最も重要なのは、身体のどの組織が症状を誘発しているのかを明確に判断することです。
TOSの原因として考えられる組織は以下の4つに分類することができます。
①斜角筋症候群
斜角筋とは首の横から鎖骨にかけて走行する筋肉であり、前・中・後斜角筋と3つの筋肉に分けられます。前と中斜角筋の間を神経や血管が通るため、この筋が過度に緊張したり、硬くなってしまうと、その間を通る神経や血管を圧迫してしまい、症状が誘発されます。
②肋鎖症候群
肋鎖症候群とは肋骨と鎖骨の間を通る神経と血管が圧迫を受けることによって症状が誘発されます。この時は主に鎖骨の下を通る鎖骨下筋の緊張や硬さが原因である場合が多いです。
③小胸筋症候群
胸の筋肉である小胸筋は鎖骨から上腕骨にかけて走行する筋肉です。この筋肉の過緊張、硬さによって神経や血管の走行を阻害することによって症状が誘発されます。
④頸肋症候群
本来、肋骨とは胸椎に付着するものですが、先天的な異常などにより、生まれつき首の骨に付着している状態を指します。この首から出た肋骨によって神経や血管を圧迫して上肢の症状を誘発することがあります。
治療法
・症状の原因部位を見極めてアプローチしていきます
胸郭出口症候群の中で、どの組織が神経や血管を圧迫して症状を誘発しているのかを、しっかりと検査で特定した上で治療を行っていきます。この原因組織の特定が非常に大事で、誘発している組織以外を治療したところで、症状の改善はあまり期待できないからです。
・原因部位だけでなく、背骨全体のバランスを整えて、更なる改善・再発防止を目指します
胸郭出口症候群の腕の痺れや、痛み、感覚麻痺や運動機能低下は、不良姿勢の持続が原因になっている場合がほとんどです。正しい姿勢がとれるよう、背骨・骨盤のバランスを整えた上で、猫背姿勢を固めてしまっている筋肉のかたさ等をとっていきます。
・正しい姿勢とセルフケアをアドバイスさせていただきます
治療効果の持続、再発予防の為に、ご自分でやって頂けるエクササイズや、日ごろの姿勢を指導をさせていただきます。
当院のスタッフ全員が専門の大学課程を修了した、米国国家資格取得 / WHO公認のカイロプラクターです。是非一度ご相談下さい。