高校2年生のサッカー部。練習中に右股関節の前方に痛みを感じるようになりました。特にボールを蹴る時や走る際に痛みがさらに強くなり、歩くのも困難になることもありました。整形外科に診てもらったところ、グロインペイン症候群と診断されました。担当医の方からは、しばらく安静にと言われましたが、痛みは相変わらず残っている状態です。少しでも回復して早く練習に復帰したいので、当院に来院しました。
<初診時の症状>
・右股関節の前方に痛み
・歩行時に右股関節に痛み
・腸腰筋・内転筋群の過緊張と圧痛
・腸腰筋の触診で右股関節に響く
<施術後の経過>
初回の施術は、腸腰筋などの股関節屈筋群と内転筋群を中心にリリースを行い、股関節の可動域の改善と脊柱・骨盤の矯正によって全体的に姿勢のバランスを整え、股関節の負担がかからないように調整しました。施術後は、来院時と比べて歩行時の痛みは半減しました。セルフケアとしてストレッチやエクササイズの指導も行いました。2回目の施術は1週間後で、歩行はほぼ問題なくなりました。練習にも参加し、実際にまだ痛みはありましたが、プレーには大きな問題なく、最後まで練習出来ました。しばらくして、4回目の施術前の状態は、練習中も歩行も痛みはなくなりました。
<カイロプラクターのコメント>
この方の症状であるグロインペイン症候群とは、サッカーなどによるキック動作によって、股関節の曲げ伸ばしの際に、腸腰筋などのオーバーユースや鼠径部・恥骨結合に炎症が生じ、痛みを起こすことをいいます。この方は、日々サッカーの練習で慢性的に股関節周囲の筋群に負担をかけていたこともあり、それが限界のところまで負荷がかかったことで、強い痛みを引き起こしたと考えられます。施術では、発症してから比較的早めに施術を行えたことにより、早期回復につながり、練習にもすぐ復帰することができました。
この方のように成長期では、骨格が完全に出来上がっている状態ではないため、関節や筋肉を傷めることが多いです。その痛みを我慢して、骨格が出来上がってしまうと、慢性化しやすく治りも遅くなってしまいます。少しでも気になる方がいらっしゃいましたら、早めに受診することをおすすめします。