30代、男性、会社員
2021年11月頃、左殿部〜下腿までの痛み・重だるさの症状で整形外科を受診し、腰部椎間板ヘルニアと診断。経口薬とブロック注射2回行い、症状の緩和はみられたが、効果は3ヶ月程度、その後再発したとのこと。親戚からカイロプラクティックの話を聞き当院に来院。目標は趣味のボルダリングを再開したいとのことでした。
<来院時の症状>
・歩行困難(体を前傾しゆっくりしか歩けない)
・左殿部〜下腿(ふくらはぎ)までの痛み・重だるさ。
・長時間のデスクワークが困難。
・顔を洗うなどの前傾姿勢で症状増悪。
<施術後の経過>
初診のため問診を行い、間欠性跛行は特にないとのことでした。
医療機関を受診済みであったが、感覚・運動・反射機能や整形外科的検査などを行いましたが、どれも正常でした。既往歴に髄膜炎があったため整形外科的検査で確認しましたが、特に異常はありませんでした。
◎ 一般医学的な検査
整形外科的検査は、左SLR(35°)、WLR(-)、ブラガード(+)、バウストリングサイン(+)。側屈動作で、ヘルニアの兆候はありませんでした。※ 下記図はSLR検査を示します。
筋力検査は、左側の中殿筋と腓腹筋の筋弱化と圧痛が見られた。
股関節外旋筋群の過緊張もみられた。
デルマトームの範囲での痛みはありませんでした。
◎ カイロプラクティック的な検査
可動域検査では、体幹屈曲時の股関節の屈曲制限(80~90°)が顕著であり、代償として腰椎の過剰後弯がみられた(下図のBに該当します)。体幹の伸展制限も顕著であった。
ハムストリングスなどの短縮や坐骨神経の緊張や滑走性の低下もみられた。
※ 出典元:筋骨格系のキネシオロジー
◎ 評価
本症例では、医療機関で腰部椎間板ヘルニアの診断を受けておりました。検査などで確認したところ、ヘルニアだけの影響で症状が出ている可能性は低いと考えられました。背骨・骨盤・股関節など機能的低下の影響を受け、これらに付随する軟部組織や神経が影響受けたことにより症状を出している可能性が高いと思われました。
◎ 治療
背骨・骨盤・股関節の機能調整を行いました。
短縮した筋や坐骨神経周辺の滑走低下に対するアプローチも同時並行で行いました。
初診後は1~2日程度症状の減少。
その後は、治療間隔を1週間間隔でを行い、2か月で痛みの消失期間が1週間になりました。(治療回数8~9回)
それ以降は、治療間隔を2週間に伸ばし、4か月で痛みの消失期間が2週間になりました。(治療回数12~13回)
さらに、治療間隔を3週間に伸ばし、6か月で痛みの消失期間が3週間になりました。(治療回数15~16回)
以降は、治療期間を1か月間隔で行いホームケア中心に行っております。
<カイロプラクターからのコメント>
本症例は、レントゲンやMRI画像などの構造的要因よりも、背骨・骨盤・股関節などの機能的要因が症状を誘発させていたと思われます。治療も順調に進み、趣味のボルダリングもできるようになりました。椎間板ヘルニアがあったとしても痛みなどの症状に直接関係ない場合も多いです。本症例もそれに当てはまるものであったと考えられました。
これらの症状は、坐骨神経痛、梨状筋症候群、仙腸関節症候群、椎間関節症候群など、同じ様な症状を出すことが多いです。そのため画像検査や徒手的検査などで正確に鑑別する必要があります。
12twelveカイロプラクティックは身体を整える「整体」のプロフェッショナルです。飯田橋の整体でお探しの方は是非ご相談ください。